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INTERVIEW
代表に聞く「ハワイでの成功とその哲学、そして未来」

COSMORAMA INC PRESIDENT
Victor JK LEE
韓国で生まれ、日本、中国、そしてハワイへと渡り歩き、時代に翻弄されながらも、たくましく道を切り拓き、自ら立ち上げた会社を成長させ続けてきたその手腕を赤裸々に語ります。
― まず、韓国、日本、中国と国際的なキャリアを積まれた上で、ハワイにたどり着いた経緯についてお聞かせください。
私は韓国ソウルで生まれ、高校卒業後すぐに兵役で海兵隊に入隊しました。その後、日本に渡り、明治大学で政治学を学びました。この頃は政治家を目指していたんです。卒業後は中国に渡り、北京大学大学院で学びながら、貿易商社の仕事にも従事していました。

※兵役時代(この時に自動車整備の知識を学びました。)
人生の大きな転機は1997年のIMF(アジア通貨危機)でした。これにより中国でのビジネス継続が難しくなり、すでにハワイに移民していた家族のもとへ、1999年に私自身も渡米しました。
―ハワイでのキャリアはどのようにスタートしたのですか?
最初の仕事は近畿日本ツーリストのハワイ支店でツアーデスクにて接客、オプショナルツアー販売、クレーム対応等に従事し、その後転職し、当時大韓航空が持っていたワイキキ・リゾート・ホテルでアジアマーケット担当のセールスをしました。このホテル時代に、日本の大手旅行会社とのネットワークを築くことができました。これが、後のコスモラマの基盤となります。
―日本語、中国語と多言語を話せるのですが、英語はどのように習得したのですか?
1986年に両親が呼び寄せにより米国グリーンカードを取得しました。両親はすぐにハワイに移住をしたのですが、私は兵役を完了するために一緒には行けませんでした。除隊後に日本の大学に留学したのですが、毎年夏休みに、ハワイに帰省し、そのタイミングでハワイ大学のNICE(短期集中英語プログラム)を7-8年受講して習得しました。このプログラムはほんとに役に立ちました。
今では韓国語、日本語、中国語、英語の他に、フランス語・ドイツ語・ロシア語・イタリア語も少々。今は古典落語を猛勉強中です(笑)。
―2004年に「コスモラマ」を設立した動機は何だったのでしょうか?
ハワイでポスピタリティ業で働いている時、観光客、特に日本人のお客様が最も困っていること、相談してくることが「移動手段」だったんです。ハワイは公共交通が未整備な車社会です。ここに確実な需要とビジネスチャンスを見出しました。
-社名の由来は?
コスモは「宇宙」、ラマは「パノラマ」、この二つを合わせて「コスモラマ」としました。どこまでも限りなく広がる可能性を秘めた会社になるようにと命名しました。
―日本からの旅行者にターゲットを絞った理由は
ハワイで日本人向けのビジネスを始めたのは、最初からそのマーケットを狙っていたわけではなく、先にも述べたワイキキ・リゾート・ホテルでの仕事で出来上がった日本の旅行会社とのネットワークの構築が既にあったので事業を立ち上げてすぐに仕事を得る事がでる自信があったのです。
日本留学で覚えた日本語が、この時に大いに役立ちました。
―トランスポーテーション業は競争が激しいと思いますが、コスモラマはどのように差別化を図ってきたのですか?
確かに競争はありますが、当社の戦略は「みんながやりたがらない仕事」をベースにすることです。
例えば、朝4時台の送迎や、最終便の到着となり深夜送迎もある他島ワンデイツアーの送迎などがそれにあたります。他の送迎会社が敬遠する時間帯や業務を率先して行うことで、競争が少ない、安定した需要を確保してきました。
効率化も重要でした。朝に集中する空港ホテル間の送迎の後に出来る仕事として「ゴルフ」に着目し「コスモゴルフツアー」を立ち上げました。この二つを組み合わせることで、車両と時間を効率的に稼働させることに成功しました。
(ちなみにゴルフの実力は、常に74前後で回る腕前だそうです。)
また、車両台数を増やす事よりも、サービスの質を最優先しています。現在、ミニバスやバンなど7台体制を維持しているのも、オーナーである私が全ての管理と品質を担保できる限界だと考えているからです。
―貴社のサービス哲学には、日本の文化が深く関わっているように思えますが
その通りです。私は、「旅行会社の役割は、出発地(オリジン)の文化を基準に、目的地(デスティネーション)の文化を融合させて案内していくこと」だと考えています。
特に日本のお客様に対しては、まず日本の文化、礼儀作法を最優先で尊重します。その上で、ハワイの文化の面白さや違いをさりげなくお伝えする。
このアプローチは、私が日本で学び、アジアの儒教文化圏で育った経験から得た信念です。単に日本語が話せるというだけでなく、文化的な理解の深さが、お客様に心からのおもてなしを提供するための核となります。
―今後のコスモラマ、そしてご自身の展望をお聞かせください。
今後は、トランスポーテーション業に加え、コロナ渦に取得した不動産販売ライセンス(RA)を活かし、不動産を通じたコンサルティング事業にも注力していく予定です。これは、ハワイへの正規移住を希望する方々をサポートするためです。私の移住体験や知識が多いに役に立つと思っています。
そして、コスモラマの事業継承も大きな課題です。この会社は、正直に言って「オーナーが終わると会社も終わる」という個人営業の要素が強いです。だからこそ、私が20年かけて培ってきたノウハウや知識を、次世代の、ハワイで事業をしたいという熱意ある新しい人材に伝授していくことが、私の最後の使命だと考えています。
(2026年より「victoryland.com」にて不動産業の展開を予定しています)


※創業時から現在に至るまで自らハンドルを握りお客様の送迎を行います。
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